サバイバル
六角かぁ~。もう入って3年経っちゃうんだな。

1人歩きながら、さっきのサエさんとの会話を思い出してた。

中学は女子校で、なかなか始めはみんなと喋れなくて、

新しい学校も前と雰囲気がまったく違って、

中学に戻りたい!早く卒業しちゃいたい!って思ってた。

でも…今思うと、あの時は私、意地はってたんだって思う。

環境違うのが認められなかっただけ。

六角の人たちは本当にいい人ばっかりで、

そんな私にさえ、凄く良くしてくれた。

そんな中でだんだん馴染んでいって、

気がついたら、ここが大好きになってた。

特にテニス部のみんなには、大感謝してるんだよ。

めっちゃ意地張って、でも、引き返せない自分に困っていたとき、

一番最初に手を差し伸べてくれたのがみんなだったから。



『五十嵐さん、どこも部活入ってないのなら、テニス部のマネージャーやってみない?』

『女の子が入ってくれるのなら、大歓迎です!!ねっ、バネさん!!』

『あぁ……って…、剣太郎!抜け駆けはゆるさねぇぞ!』

『そんなに言い合っちゃいけないのね。アサミさんが怯えているのね。』

『そんなやさしいことを言って、さりげな~く、いつの間にか『アサミ』呼ばわりないっチャンであった…クスクスッ』

『マネージャーのまねじゃー…って、バネさんタンマ!!!』

『うっせぇダビデ!!』

『こんなテニス部だけど、マネージャーになってくれたら嬉しいな。よろしくね、アサミさん。』



あれから2年9ヶ月。

今の私にはここが大切なホームになった。

みんな大切な私の仲間。

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