地味なあの子は有名人?
「ごめん…勝手な事言って…
でも、少なくてもその人は
あなたの事を求めてるからメアド教えたんじゃないかな?」

何も言えなかった
椎野は俺のモヤモヤを一瞬にして消してしまった

俺は佳菜を芸能人として見ていた
でも佳菜の相談相手に一人の人としてなってあげたい

そうだよな…
佳菜も人間だよな…
辛い事、苦しい事、悩んでる事
全部背負ってなんていけないよな

誰かに聞いてほしいよな
誰かに側にいてほしいよな

俺の中で佳菜という存在は
今…一人の人間となった

椎野の言う通り、
雲の上の存在とか
雲の下の存在とか
そんな事は気にせずに
俺は佳菜の支えになってあげたい

そして俺は授業の終わりのチャイムが鳴ったとたん
椎野にお礼も言わないでトイレに飛び込んだ。
そして送信ボタンをゆっくり押した
今まで悩んでたのが嘘みたいに
すっと押せた
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