この暴君、恋すると手に負えません



「最初は勘違いもあって正直嫌いでした。世界は自分が中心に回ってるんだって言ってるように威張り散らしてるし、横暴で人の話を聞いてくれないし、意味わからない契約されるしで、どうなるんだろうって不安でした」
「ははっ、そんなふうに思われてたのか俺は」
「すみません、でも帝さんを守る契約のはずが、気づいたら私がいつも守られていました。今日も助けてもらったし、いつもありがとうございます」
「……いや、俺の方こそ大袈裟だがお前に何度も命を救われた。誉のこともお前がいたから今がある。本当に感謝してるぞ、虹美」

--あの帝さんが珍しく照れてるように見えた。

目線を少し逸らして口元を覆う仕草は、普段の彼らしくなくて少し笑ってしまう。

「でも私が一番伝えたい事は他にあるんです。聞いてくれますか?」
「……あぁ、ちゃんと聞いてやる」

帝さんは咳払いしてから、私をまた真っ直ぐに見つめてくれた。

やはりこの妖艶な瞳は美し過ぎて、ずっと見つめていたら見惚れてしまう。だけど見惚れてる場合じゃないんだ。


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