七色セツナ。1



あれ?

寝てる……?


窓から
もうすぐ初夏を告げる
暖かさを含んだ風が、入って来た。


花凛の
ふわふわの髪を掠めて行く。


そこまで歩いて行くと
自分の席で、
腕に顔をのせて
目をしっかり閉じている。


「ぷぷ。

・・・なんて無防備な顔して
寝てんだよ……

髪、食ってるし」


しょーがねーな。


「おい、花凛。

起きろ?」


顔を覗き込むと、
花凛の香りが鼻腔をくすぐる。


「おい……」


手を伸ばして髪を避けると、
指が花凛の頬を掠め
それに反応したのか、


「ん……」


と、ふっくらとした唇から
息が漏れた。


「花凛……」



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