七色セツナ。1

事は動く。





「朱羽、おはよー」


「はよ」


花凛の頭に
ポンと手をのせ、自分の席に着く。


「んで?

なんで虎太朗の席に
恭弥が座ってる?」


花凛の前の席、
コタの椅子に座り
真後ろに向いて、微笑む恭弥。


「コタは
まだ来てねーし。

花凛ちゃんと
お話してたんだよねー」


「真季乃は、また休みか?」


「うん、
まだ熱が下がんないらしいの。」


「今日もバイトか?」


「うん。

今日は元々、シフト入ってたし」


「今日は、店に行くからねー。

花凛ちゃん、一緒に帰ろうね?」


首をコテっと傾けて
微笑む恭弥に、花凛が


「恭弥……。

最近暑いから、Tシャツ着てないの?」


「うん。

Tシャツだけはダメだって
ヤマちゃんに言われたから。

Tシャツ姿の方が好き?」




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