お前は俺だけの女だからな





    「まだ、あなたは何も知らないようね。」




 
   
    不意に、吉田秘書は、そう確かに呟いた。




   「私は何を知らないんですか?



     蓮さんは私に何かを隠しているんですか?




    「あまり興奮してはいけないわ。まだ少し熱があるのだから。」




    「それに私からは言えることではないわ。




    あなたは、とりあえず身体を大事にすることね。



   有栖川には今日の業務はいいと伝えてね。



   あとのことは私がなんとかしておくからと。」


    起きたらそう伝えてね。

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