小さな私とおおばあちゃん。
送り火
私が幼稚園の頃に住んでいたのは、

趣のある街にたたずむ古いマンションの3階。

お盆になると、
ベランダからは送り火がよく見えた。



『あそこのマンションからはね、本当によく見えたのよ』

送り火のテレビ中継を見ながら、母は言った。
山に輝く火の文字は、雄大で美しい。



「そうだったね、覚えてるよ」

『あら、本当に?はなはあまり見ていなかったじゃない』

「よく覚えてるねー…」






そう、


小さな頃、私は送り火がとても怖かった。




「いや、嫌!!部屋に戻る!見たくない!!!」


泣き叫びながら、ひとり部屋に戻った記憶。





ナニが 怖かったのか。



ナニを “ 見たく ” なかったのか。。









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