小さな私とおおばあちゃん。
私を助けてくれるもの

自転車

自転車に、補助輪なしで乗れるようになった頃だった。


私は嬉しくて嬉しくて、
公園の広場をぐるぐると乗り回していた。

何が楽しいというか、
自転車で走ることが楽しくて。


砂の上をぐるぐる、ぐるぐる。




と、



スピードが出たまま曲がろうとしたため、

スリップして自転車が大きく傾いた。



もうだめ……


私は転ぶのを覚悟し、ぎゅっと目を閉じた。



グイッ!!


突然自転車が振り戻され、地面に足がついた。






――近くにいた大人が、助けてくれたんだ!



私は笑顔で後ろを振り向くと、



「えっ?」


そこには、誰も いなかった。




角度から転けなかったのは、信じられない。
それにグイッと自転車を掴まれた感覚があった。




「・・・おおばあちゃん」

なぜか私の口から、その名前が出た。
無意識に、しかし確信を持って。







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