小さな私とおおばあちゃん。

10円玉

『え~~…こんな隙間に入るの~?』


同級生のSくんは、とても嫌そうだ。

『暗いし~汚そうだし~~…』

「でも昨日ね、麦わら帽子のおじさんが入っていくのを見たの。大人でも入れるんだから、私たちなら簡単よ♪」


嫌がるSくんの手を引っ張り、
私達はマンションとマンションの隙間に入った。




地面は土で、所々に苔が生えていた。
コンクリートの壁に挟まれた隙間は狭く、昼間なのに暗いし、ジメジメしていた。

先に光が見えるが、、思ったよりも遠く感じた。




「あ!」

足元に、土で汚れた10円玉を見つけた。



『あ!!』


Sくんも、10円玉を見つけたらしい。




どうするー?


と言いながら、2人で近所の交番へ届けた。




『お金を届けに来たの?偉いねー。でもこの10円玉、かなり古いなぁ。どこで拾ったの?』

お巡りさんは2枚の10円玉を珍しそうに眺めていた。





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