小さな私とおおばあちゃん。

『ねぇねぇ、はなちゃん!隙間の先まで探検しよーよー!』


100円玉を拾って、すぐのことだった。

「えーー…うーん…」


私は正直、乗り気ではなかった。

奥まで行くのが怖いのと、
やはり、まだ100円玉のことが引っ掛かっていた。


『行こ~よ~~!!ねぇ!!ねぇ!!』

Sくんは、どうしても行きたいらしい。

『10円を見つけて、次は100円を見つけたんだよ!きっと奥には、もっと沢山のお宝があるはずだよ!』



…Sくんの勢いに負け、
私は嫌々、行くことにした。




「…ってゆうか、何で私が先なのよ!!」

『いいじゃん!1回だけだからぁ~~お願い~~』


言い出しっぺの癖に、隙間を前にSくんは私を先頭に行かせた。もう!意気地無し!!

こうなったら、さっさと向こう側まで行ってしまおう!

私はズンズンと前に進んだ。






隙間の半分辺りにきた頃だった、


『あーーーー!!!!』


後ろの方で、Sくんが大きな声を上げた!!


「どうしたの?!」

慌てて戻るとそこには、


隙間にピッタリはまる位の大きさの、
古い壺が埋まっていた。

そしてその壺の口からは、古い硬貨が溢れていた。


『お宝を発見したよ!!わ~~い!!僕たちお金持ちだぁ~~!!!』


Sくんは喜びながら、壺を掘り出し始めた。



「え?待って、ちょっと……」

おかしい。

おかしいのだ。





だってそこは、

“100円玉を拾った場所” の近く。



あのとき、

『もっと落ちてないかなぁ~~』

と、2人で周りの土を掘ったりして探したのだ。

そのときはこんな立派な壺、なかった。
あったらすぐ見つけていたはずなのに…!!



私は頭がクラクラした…

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