【完】そして、それが恋だと知った日。
「私ら友達じゃん?ちゃんと教えてよね。」


「真子だけ独り身とか悲しすぎじゃん?
 あっ苑田とかどう?結構イケメンな方じゃない?
 高橋と仲良いし、ダブルデートとか。」


「私も入れてトリプルしよーよ。」


「いいねえ!真子も早く彼氏作りなよ?」


「あはは……。」


よくわかんない。
昨日まで無理とか言ってた人の事。
昨日の今日で好きになるの?
ちょっと、軽い気がするんだけど。
好きってもうちょっとこう、なんていうか。
大事っていうか。
ゆっくり育てる物じゃないのかな。


すみれと理香子にこのテの話したら大変そう。


それに好きな人とかいないし。
そう思った傍で一人、脳内に浮かぶ人がいた。


伊澄くん……。


いやいや、伊澄くんは違うよ。
昨日ちょっと話しただけだし。
たったそれだけだし。
錯覚、だよ。錯覚、うん。


昨日ふたりで話してたのバレたらネタにされる。
……いやだ。
どうしよう、言わないでって言うの忘れてた。
伊澄くん、高橋くんと仲良いしどうしよう……。


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