【完】そして、それが恋だと知った日。

”初めて”をしよう


私、本当に伊澄くんと付き合い始めたんだ……。
じわじわその実感がわいてきて。
ひとりじたばたその感覚に溺れる。


あの後学校はすぐ夏休みに入って。
ほとんど話すことなく、夏休みが始まった。


結局みんなにバレるのは恥ずかしいからって。
ふたりで話して周りには内緒、ってことになった。


おはようと、おやすみ。
そのメールを毎日するようになった。


些細なことだけど。
たったそれだけの事だけど、嬉しくなる。


何かが劇的に変わったわけじゃない。
いつも通りだし。
受験生だから遊びにも行けない。


会えない時間の方が圧倒的に長いけど。
それでも、世界が変わったような気がした。
見るものすべてが、カラフルに見えるような気がした。


錯覚なんだろうけど。
フィルターがかった毎日は。
嫌いじゃない。


夏休みは、塾と家の往復で。
夏期講習も始まったことでずっと塾で勉強詰め。
でも、そんなに悪くなかった。
だって、伊澄くんと廊下ですれ違ったりするし。


目が合って、一回逸らして。
もう一度見て、微笑む。


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