【完】そして、それが恋だと知った日。
首をかしげていた。
「少し遅くなったけど、誕生日プレゼント。」
「えっ、いつの間に。」
「さっき、……ごめん知ってたらもっとちゃんとしたの買ってたんだけど。」
「全然!!もらえると思ってなかったから嬉しい。……開けていい?」
「うん。」
シールを剥がして袋を開けていく。
その仕草にどきどき心臓が脈打つ。
気にいって、くれますように。
袋から取り出されたのは。
彗星の形をした、キーホルダーだった。
ストーンが埋め込まれてて。
キラキラしてて、伊澄くんの瞳みたいだって。
名前にもぴったりだって。
これしかないって思って。
迷わずこれを選んだ。
「これって、」
「き、気にいらなかったら捨てていいから!!」
「捨てないよ!すっげえ嬉しい……。
ありがとう。大事にする。」
無邪気に笑う顔を見て、ほっと息をつく。
喜んでもらえてよかった。
笑顔、見られてよかった。
渡せて、よかった。