【完】そして、それが恋だと知った日。

首をかしげていた。


「少し遅くなったけど、誕生日プレゼント。」


「えっ、いつの間に。」


「さっき、……ごめん知ってたらもっとちゃんとしたの買ってたんだけど。」


「全然!!もらえると思ってなかったから嬉しい。……開けていい?」


「うん。」


シールを剥がして袋を開けていく。
その仕草にどきどき心臓が脈打つ。
気にいって、くれますように。


袋から取り出されたのは。
彗星の形をした、キーホルダーだった。


ストーンが埋め込まれてて。
キラキラしてて、伊澄くんの瞳みたいだって。
名前にもぴったりだって。
これしかないって思って。
迷わずこれを選んだ。


「これって、」


「き、気にいらなかったら捨てていいから!!」


「捨てないよ!すっげえ嬉しい……。
 ありがとう。大事にする。」


無邪気に笑う顔を見て、ほっと息をつく。
喜んでもらえてよかった。
笑顔、見られてよかった。
渡せて、よかった。


< 139 / 207 >

この作品をシェア

pagetop