【完】そして、それが恋だと知った日。
＊


「これで、大丈夫かな。」


日曜日の朝。
待ち合わせの時間の５時間前に目を覚まして。
服を選ぶのに１時間。
髪を結うのに３０分。
靴を選ぶのに３０分。


そして。
変じゃないかなって確認して、また悩んで……。
を繰り返しているうちに。
家を出る時間になった。


余裕を持って起きたのにもかかわらず。
行き際バタバタになって。
部屋を片付ける時間もなく。
私は走って待ち合わせ場所に向かった。


もう、こんなはずじゃなかったのに！


着ていこうと思ったワンピースは少し子供っぽ過ぎるかと思って。
シンプルなTシャツにジーンズにしようかと着てみたけど。
こんなのさらりと着こなせるの、身長高い人だけで。
平凡な身長に、特にスタイルもよくない私には。
上級者向け過ぎた。


他にもいろんな組み合わせをクローゼットから取り出して。
着ては脱いで、着ては脱いでを繰り返して。
で、結局最初のワンピースを着てきた。


こんなことになるなら最初からワンピースにしておけばよかった。
そしたらこんなに走ることなかったのに。
せっかく髪の毛結んだのに絶対崩れてる……。


< 19 / 207 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop