黄色い履歴書

独りの助け人

“時間だよ。早くしないと逃げてくよ”



そう言っているような鈴の音が聞こえた


が、それは気のせいだった

ベランダを見ても何もない

物干し竿が風でカラカラいってるだけ



急いで戸を開けて外に出ると

強い風がリョウの髪をなびかせ

それと同時に夜の香りを風がさらっていった




カツン  カツン  カツン  カツン  カツン  カツン


ヒールの音を響かせ階段を降りると
5歳くらぃの男の子がリョウの影を踏んでいた


男の子ゎ目を真っ赤にし

しかしその目はどこか真っ直ぐで


自分の心が見透かされてるような

そんな感情が沸き立った





『ぼく?お母さんは?』

『男の人のところ』
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