0.0000034%の奇跡



別にコソコソ隠れてたわけじゃないけど、全国ネットで公表した今は肩の荷が下りたと言うか、世の男性に対して彼女が人妻であると認識させられた事が嬉しい。


それにこんな可愛い事言ってくれる彼女を本当に愛しく思うよ。


「あ、そうだ。芹にひとつ報告しなくちゃいけない事があるんだ」


腕の中の潤んだ瞳に僕が映ってる。
首を傾げる彼女と至近距離で見つめ合う。


「実はね、この近くで新店出す事になったんだけど…そこで僕が店長兼ディレクターに就任する事になったんだ」


「えっ!?本当に!?すごいじゃーん!」と抱きついて離れない。
雇われ店長だけどね。
僕自身、スピード出世で正直頭が追いついてないけどやる気満々な事だけは確かで。
経営に関して日々勉強は続いていく。
背負うものが出来た今、前進あるのみなんだ。


必ず君に、もうひとつ上の世界を見せてあげる………






< 122 / 175 >

この作品をシェア

pagetop