0.0000034%の奇跡



あぁ、言いたくなかったなコレ。
僕だけの芹じゃなくなる……
動画の顔バレもあれほど嫌がってるのに出来るわけ……



「私なんかで良ければ」



固まる僕とガッツポーズの店長。
そして何より、乗り気な彼女にびっくりした。
店長が去ってから「本当に大丈夫なの?」と小声で確認する。



「だって智くんの名前出るでしょ?」



「そんなのいいよ。それより顔出ちゃうよ?仕事大丈夫?」



「もうかなりバレちゃってるし大丈夫」



ありゃりゃ、開き直っちゃってるのね。
うーん、複雑な展開。
と言いつつ撮影用に仕上げていく。
僕の腕の見せどころだ。
ストレートに決めても巻いてもどれも似合っちゃう。



美容室のすぐ隣に撮影スタジオがあって、そこに居る専属カメラマンに撮ってもらう。
最初は緊張気味だった彼女に「カメラを僕だと思って」とアドバイスしたら、ごく自然に撮れ出した。






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