0.0000034%の奇跡
「もういい」なんて行こうとするから思わず引き止めた。
「ごめん、頭冷やしてくる」と目を合わせようとしない彼女を思いきってソファーに押し倒す。
これで嫌われたら僕はおしまいです。
「僕だって離れたくたいよ!言っとくけどこっちの方が惚れてるんだからな!毎日芹のことばっか考えておかしくなりそうだ!責任取れ!」
は、初めて声をあげてしまった……
終わりだ……かっこ悪すぎる……
ほら、びっくりして目がまん丸だ。
ドン引きしてるよ。
絶対、彼女が求めてた答えじゃないことは明らかだ。
息を整えながら、
最後の責任取れって何だよ、
男が言う言葉じゃないだろって大後悔。
恐る恐る彼女を見ると、プッと吹き出した。
「アハハハ…!」
お腹抱えて笑ってんじゃん……
恥ずかしすぎる……
こんな彼氏、嫌だよな……
床ドン状態で項垂れる僕の手に手が重なる。
「責任、取ります」
言ってるそばから笑ってる。