ぎゅっと、隣で…… 
「もしかして、優一兄ちゃん、気付いてたの? 私が学校へ行きたくなかった事……」


「ああ。あの時、南朋が安心できる場所作ってやれなかったから、ずっと後悔していてさ…… 南朋だったら、そういう子供達の気持ち解るんじゃないか? 俺に力貸してくれないか?」


「優一兄ちゃん…… 」

 南朋は、胸に熱いもの込み上げ優一を愛しく見た。



 信号が青に変わり、ハンドルを握りながら優一は南朋に問いかける。


「どう思う?」


「私より、優一兄ちゃんの方が子供達の気持ち解るよ…… だって、子供の頃、優一兄ちゃんだけが、私の事助けてくれたから……」


「ふっ……」


 優一が半部笑ったような顔をした。



「なに?」

 南朋が不思議そうに優一に目を向ける。



「南朋だったからだよ。多分他の子だったら気にもしなかっただろうな……」


「ええっ。でも、翔の事だって良く面倒見てくれていたじゃない」



「まあな、南朋の弟だからな…… 翔に声を掛ければ、南朋と一緒に遊べると思ってさ」


 少し照れたように言った優一に、南朋は驚きと嬉しさが混ざった、愛らしい笑顔を見せた。




 又、信号が赤になり車が止まる。



 「私も…… 優一兄ちゃんの事が好きだったよ……」


 優一は南朋の笑顔が愛しくてたまらない。


 気持ちを押さえきれず、左手を南朋の頭に手をやり、南朋の唇に優しくキスをした。


「もう! 運転中!」

 南朋が顔を顰める。
< 74 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop