きみだけに、この歌を歌うよ
「ははっ。菜々ってほんと子供みたいだよな」
「えっ、ちょっ……なにそれバカにしてる?」
「ごめん、そういうわけじゃないよ。そういうの見てると元気がでるわ」
九条くんはひとしきり笑ったあと、ふっとまた寂しそうな顔に戻った。
「俺のこと……励まそうとしてくれてんだろ?」
浜辺にしゃがみ込んだ九条くんが、立ったままでいる私を見上げる。
私もそのとなりに腰をかがめ、目線を合わせた。
「九条くんだって私のこと…たくさん励ましてくれたから。そのお返しをしたいなって……」