シェアハウス
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 静香さんと暮らし始めて、早いこと3週間。
 私は、何事もなく平穏な毎日を過ごしている。といっても、大学のレポートやらバイトやらで毎日が忙しい。
 そんな私の癒しといえば、たまの休みと毎日の夕食だった。

 静香さんは毎日欠かさずに夕食を作ってくれ、それを、必ず私と一緒に食べてくれる。
 静香さん自身、一人で食べるのが寂しいという理由から。勿論それもあるけれど、私も一人では食べたくなかったので、どんなに遅くなっても静香さんが待っていてくれる事がとても嬉しかった。
 静香さんの優しさが嬉しかった私は、待たせてはいけないと、友達と遊びに出掛けても必ず夕食前には帰宅するようにしていた。


(静香さんみたいな人が、彼氏だったら良かったのにな……)


 そんな風に思ってしまう程に、私の中で静香さんの存在は大きくなっていた。


(静香さんて、恋人とか……いないのかな?)


 3週間共に過ごしている内に、ふと疑問に思った事。私の見た限りでは、仕事へ行く以外毎日自宅にいる静香さん。
 とはいえ、朝は私の方が早く家を出て帰りは私の方が遅いので、実際には家にいる静香さんしか私は知らなかった。

 こんなに綺麗で優しい静香さん。恋人の1人や2人、いてもおかしくはない。


「静香さんて……。彼氏さんとか、いないんですか?」


 食洗機に食器を入れながら、近くにいる静香さんにそう訊ねてみる。

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