【短編】手のひらを、太陽に…
 志音は、もう次に進むべきこと、気付いているよね?

 今はその、勇気が出ないだけだよね。

 本当は、志音、お父さんを信じたいけど、信じるのが怖いんだよね。


 でも、大丈夫だよ。
 志音は一人じゃない。

 私や、お姉ちゃんや、洸くんがいるから。いつも傍にいるから。


 だから怖がらず、もう一歩、前に進んでおいで。


 うまく進めなくてもいい。
 進んでダメだったら、私たちのところに何度でも戻ってきていい。



 不器用でも不恰好でもいい。

 今を精一杯生きてほしい。

 生きてるときにしかできない幸せだから。





 長くなったけど、これが私があの時言えなかったこと。


 また、遊ぼうね。今度は洸くんのこともちゃんと紹介するからね!


 では、また。



          葵



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