【短編】手のひらを、太陽に…
エピローグ 〜生きている〜
―1年後―


 志音は、葵と出会った病院の庭を散歩していた。

 花壇に一際目立つ大きなひまわりが空に向かって大きな花を咲かせていた。まるで、自分の手のひらを太陽にかざして、血が流れているかどうか確かめているようだ。

 ―このひまわりは…。


 志音は病院の建物を上へと視線を上げた。屋上の柵が見えた。


 1年前のあの日、飛び降りようとして立っていた、あの屋上だった。

「…君は、あの時私を見上げていたひまわりだったんだね。」

 志音はひまわりに言った。

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