つちかぶりひめ



「さく姫は、つくよに似ていますでしょう」


突然後ろから声が聞こえて、さくは慌てて後ろを振りむく。
そこには話を聞いていたのか、解放されていた襖から若葉が顔を覗かせていた。


「若葉殿とは、もう一生会話することはないと思っていたのにね」


若葉の登場に対し、祖母は冷たくあしらう態度をとる。



「その節は、つくよを守りきれず大変申し訳ありませんでした」

若葉は、その場で正座をすると床へと手をつき、深々と腰を曲げて祖母へと謝罪の言葉を述べた。



「別に、もう謝って欲しいわけじゃないよ」


そんな若葉の行動に対しても、祖母は冷たい態度をとる。

「新しい妻も迎えず、さく姫を男手一つでここまで育てたんだから」


ぶっきらぼうに続けたその言葉に、若葉はゆっくりと顔を上げた。



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