計画的恋愛
8 暁君の華麗なる恋愛計画の全貌
「話し易いように、ひよの隣に座るね」

暁君はそう言って私の横の椅子に腰を下ろした。

私の心臓は秘密の部屋を見せられた時以上に変な音を出し始めている。

そんな中、暁君が私の衰弱っぷりなんてお構いなしに口を開く。


「俺はね、ひよに会うまでは誰を見ても何の感情を抱くことも無かったんだ」

私は観念して、紅茶のカップを握り締め、暁君の話を聞くことにした。


「同級生達が白熱してやっているゲームにも何も興味が沸かなかった。家族にすら何も感じない」

明ちゃんもお義母さんも言ってた。
他人に興味が無いロボットのような人だったって。


「俺には人間として欠陥があるのかもしれない。でもそれに気付いても何も思わなかった」

暁君は自覚してたんだね。

自分がおかしいかもしれないって。

でも私は笑顔でそれを淡々と話す暁君に、異常さよりも可哀相な人だと感じた。

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