ただいま冷徹上司を調・教・中!
姑息な手を使って凱莉さんに近づかなければ、きっと一生相手になんてされなかっただろう。

そんな私なのに……。

「そうか、わかった。千尋はなんだかんだと俺に偉そうなことを言ってきたわりに、自分も恋愛下手だったんだな。無条件に愛されるということに慣れてないんだ」

「……凱莉さん」

何故だか男の人に裏切られ続ける恋愛ばかりをしてきた私は、確かに自分のことを信じられないし、永遠に続く愛すらも信じられないのかもしれない。

「そんな千尋には何を言っても逆効果だろうな。だから俺の一方的な気持ちをハッキリ言うぞ。千尋が俺をどう思おうが大した問題じゃない。俺自身が千尋と一緒にいられれば、正直言ってそれでいい」

随分と身勝手な言い分だけれど、私がどう思おうが凱莉さん自身が私と一緒にいたいから結婚という選択をした。

そう言ってくれているのは十分に伝わった。

「凱莉さん、本当に私でいいんですか?私、以外に面倒くさいですよ?私めちゃくちゃ凱莉さんのこと好きなんで、きっと一生離れませんよ?」

絶対凱莉さんの側を離れない。

こんなに重い女をお嫁さんにしてしまっていいの?

「どんな千尋でもいいんだ。千尋が千尋でいてくれれば俺はその全部を愛せる自信があるからな。千尋はなんの心配もせず俺に愛されてればいいんだ」

「凱莉さん……」

私は夢でも見てるんじゃないだろうか。

こんなに幸せなことがあってもいいの?

苦しいくらいに愛しい人が、一生私を愛してくれるって……言葉に言い表せないほどの幸福感じゃないか。

「ありがとうございます。もう一人で悩みません。だから……もう一度だけ、言ってもらっていいですか?」

二度も言わせるなんて最悪な女だけれど、今度はちゃんと自信を持って返事をしたいから。

私な気持ちを今度こそ間違いなく察してくれた凱莉さんは、優しく私に微笑んでくれた。

そして……。

「千尋。俺と結婚してくれないか?」

「はい。喜んで」

今度こそ私は素直に凱莉さんの胸に飛び込んだ……。
< 228 / 246 >

この作品をシェア

pagetop