金曜日の流星群
なんにもないというその顔が泣き出しそうなのはなんでですか?



「なんにもないなんて、泣きそうな顔してる」



「……また、余命宣告されただけだよ」



ナツメ君はいつもの平然を装う。
死ぬってみんなに言った時も、お兄さんがいなくなったって言った時も、ナツメ君は平気な顔してた。


なのに、今無理しているのがひしひしと伝わってくる。

それは私の目がナツメ君の表情に慣れたのも関係してるけど、きっと取り繕えるほど余裕が無いんだろう。



「そっか」



じゃあ、私が取り繕うまでだよね。



「今日、お母さんにあったんだ、ナツメ君があわせてくれたんだよね?」
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