報復の愛を君に。
…あいつが作るハンバーグって、どんな味なんだろうな。

あの約束、果たしてもらえず終いか。
家庭の味を知ることないまま俺は死んでいくのか…。

「なんかすっごいネガティブな空気を感じる。

渉はすぐ格好付けようとするからなー。
俺じゃお前を幸せにできないとか考えちゃったんだろ、どうせ。
そんなこと考えたところで、花岡さんが求めてるのはそんなことじゃないかもしれないのにさ。

意外とどうしようもない渉の姿にぐっときたりしてたのかもよ」

どうしようもない姿か。
最初の出会いがあんなんなだけに、まともな姿を見せたことの方が少ないかもな。

「明日の夜は何してんの?
皆で焼肉行こうって話してるんだけど、来られそう?

どうすればまた花岡さんに会えるか、作戦会議でもする?
渉が本当にもうどうでもいいって思ってるんなら、ぱーっと騒いでもいいし」

「明日は…」

携帯を開いて予定の確認をする。

「わり、予定入ってたわ」

結局ベッドに入っても、花岡のことが頭から離れなかった。

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