報復の愛を君に。
「花岡…」

じっと目を見つめる。

すごい潤んでる。
この瞳が、今は俺しか捉えてない…。

慎重に。
慎重すぎるほどに頭に手を回し、近づく。

花岡の瞳が緊張混じりに伏せられた。

柔らかさと温もりが伝わってくる。

壊してしまわないように。
必死に本能と戦いながら。

こんなに誠実で、痺れるキスをしたのは初めてだ。
お互いに緊張しながらも、求め合うことが、こんなに心震えるものだとは。

いつだって触れていたいし、いつだって触れられていたい。

俺にそう思わせるのは、世界中でこいつだけだ。
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