迷宮の君

私から
電話してみてもイイかな?


一人で海に居るよりも
智也くんと一緒に海を眺めたい。



[携帯電話を持って悩む咲里]


…よし。決めた。
智也くんに電話しよう。

……プルルルルル…プルルルルル…

ガチャッ

〝はい、もしもし?〝


タッ…タッ…タッ…
[咲里の背後に迫っていく男がいる]



「あの、私です、咲里です。」



〝#name1#さん!?〝


「はい。急にごめんなさい。
智也くんからの電話、待てなくて。
自分からかけちゃった」


〝いえいえ、大丈夫ですよ!
こちらこそ、
電話がすぐに出来なくて
すいませんでした!
電話してくれて、ありがとうございます!〝



「あの…よかったら、今度また、あ…キャァア」




急に背後から
携帯を奪われ
通話を切られてしまった。


「えっ…。た、大雅…。」


大雅は私の婚約者。
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