嫌いだったはずなのに!
昼休み、千尋は1人で屋上へ向かいお弁当の風呂敷を開ける


ふっくらとした卵焼きにタコさんウィンナー。
母が作ったかわいいお弁当に頬を緩ませる。

「いただきます」

手をシッカリと合わせてご飯を食べる。

卵焼きがふわりと口の中で溶けるように解れる

「んん〜おいしいっ!!」



突然屋上の扉が空いた。

そこには黒雪派の副リーダー
鈴木翔
が息を切らして立っていた。

「なにかあったの??」

「黒雪の3年の奴らが白雪の1年に金を寄越せって脅している。このままだと暴力事件になるかも。」

「早く行こう!!」


千尋はお弁当を置いて駆け出した。


現場の近くに行くと大きな声と怯えた様な声が聞こえた。


息を切らして物陰に隠れてそっと見ると、がたいのいい3年生が真面目そうな1年生を脅していた。

「さっさと金寄越せや、チビ」

「白雪なんだから黒雪の俺らに従えよ」

チッと千尋は舌打ちをする。

白雪はなにかと黒雪と比較されがちでよく、差別が起きる。
この差別を使った卑劣なイジメや事件が起こるのだ。

「ぼ、僕お金……持ってないです…!!」

小鹿のように足を震わせ今にも泣き出しそうに男の子が言う。


私は限界だというように彼らの前に飛びだした
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