mk学習帳
手に温かい何かを感じた。

自分の手を見ると、私の手は見えなかった。なぜなら

先生が私の手を握っていたから。

私はもう、ドキドキしすぎて声も出なかった。

とても大きくて指が太くて爪が綺麗。握った時の少し浮き上がってくる血管。なんだか、全てが愛おしく感じてきた。

そして、私の耳元で
「るみ、ありがと。窓、俺が閉める」

と小声で囁いた。

私はもう、心臓が破裂しそうなぐらいドキドキしている。されるがままでただ、私は
「は…い…」
としか言えなかった。
< 42 / 84 >

この作品をシェア

pagetop