隣の席の不思議系彼女
いつもと違う朝
「敏兄ちゃん、朝だよ~!」

こんこん、と部屋のドアを叩きながら、可愛い声が聞こえる。
朝は、俺より起床時間が早い岳が起こしに来てくれる。

そりゃあもう毎朝。
平日のみならず、休日もきっかり起こしに来る。

……決して面倒な訳ではないし、休日くらいもっと寝かせろ、と思ってるわけでもない……。
そう、決してそんなこと思ってない。

歳の離れた可愛い弟が毎朝わざわざ起こしてくれるんだ、嬉しいことだと思う。ことにしている。

「起きたよ、岳。
今日もありがとう、助かる」

ドアを開けて岳の頭を撫でてやると、えへへ、とくすぐったそうに笑う。
笑顔に癒されるなぁ。

うん、兄弟って良いものだ。
なんだか今日も頑張れそうな気がする。
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