はじめては全部きみでした。




「ヒナ、変わりたいんじゃなかったの?」

「それは…でも楓、」

「今のヒナは昔のヒナに戻ってる気がする」




楓の言う通りだ。



「分かってるとは思うけど、本当に手に入れたいものは待ってるだけじゃダメなんだからね」




そうだよね。

わかってたのに。



また楓に教えられてしまった。




「楓も、だよ」

「えーー?」

「純也先輩!話さないとね!」

「うーん……そうだね」




それから真先輩…



文化祭以降会ってないし
ラインもしていない




でも……

留学って、どうして。




どうしても話したい。

自分勝手なのは分かってるけど。




放課後、先輩の教室の前で待とう。



< 155 / 171 >

この作品をシェア

pagetop