はじめては全部きみでした。


「泉と出会って、今まで千代のあとについていくだけの俺は本当の自分じゃないって気づいたんだ」

「それはちがうよ…」

「違わない。俺は千代と別れる!だから、」

「やめて!!!」

「泉…?」

「なっちゃんは…私の大切な親友なの…」


結弦君が好き。


「だから…」


結弦君が好き。


「もう、会わないーーー」


結弦君が、好き………





涙を見られないようにすぐに去ろうと立ち上がった。




「泉!」

「離して!!」

「嫌だ!離さない!」



お願い、結弦君…



「離してよ…っ」




あんなに大好きだった結弦君の手を振り払い大雨の中必死に走った。



雨は嫌い。


結弦君と秘密の公園で綺麗な星空が見えないから。



でも今日は、少し雨が好きになる。


私の涙を隠してくれる。




雨の日、わざと濡れていた結弦君も

同じ想いだった…?




結弦君が好き。大好き。




だから、さよならするの。


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