【短編】本日、総支配人に所有されました。
否定しないところが、自信家の支配人らしい。


「……最近は忙しくて、女の影もないから、見合いを進められてもいるが気乗りしない」


女の影はないって、やっぱり私の事は範疇にないのか、ポメラニアンの依子ちゃんと同じようにペットとして可愛がっているだけなのか・・・。


本気で相手にされてないのが浮き彫りにされたようで、イラッとして反抗してしまう。


「まぁ、さぞかし、おモテになるでしょうからね…。お見合いなんてしなくても、その気になれば沢山寄って来ますよね!」


お皿を見ながら、ムスッとした顔でイライラをぶつけてしまう。


その後、チラリと支配人を見た時に目が合い、

「…そうだな。適度には寄って来るが、肝心な女はどっちつかずで、弄ばれてるとしか思えないんだが…。なぁ、篠宮?」

と言って見つめられる。


「し、知りません、そんな事!誰の事を言ってるのかも知らないし!」


ムキになり、焦りながら否定をしてしまう。


「…ふうん?まぁ、いいや。ゆっくりと時間をかけて落とすから」


・・・多分、いや絶対に近い程、私の事を指しているのだと思うけれども、違っていたらショックを受けて沈むのは私だ。


支配人の隣に堂々と立つ為には、恥を欠かせる事がないように職場でも一流のサービススタッフにならなくてはいけない。


現段階で一流のサービススタッフになる近道はやっぱり、アレだ。


アレしかない。
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