Perverse
いろいろなことが頭の中を駆け巡る。



竹下さんは私に対する態度は悪いけれど、柴垣くんの前ではとても可愛らしい女性だ。



顔だってスタイルだって文句なし。



沙耶ちゃんいわく女性には嫌われるタイプらしいが、男ウケはとてもいいそうだ。



それでも柴垣くんは竹下さんには興味を示さないと思っていた。



いや、示して欲しくないと言った方が正解かもしれない。



それにこの前あんな事があったのだからなおのこと。



信じたくはないけれど、柴垣くんは違うなら違うとハッキリ否定するはずだ。



なのに否定もしなかったということは、やっぱり本当なのかもしれない。



私が悶々と考えても仕方がないのに。



会社を出て駅に向かう。



週末ともなればいつもより賑やかで人通りも多い。



こんな状態で知り合いに遭遇するなんて殆どない。



なのに…。



道を挟んで向こう側を歩いているカップルに目を奪われた。
< 160 / 290 >

この作品をシェア

pagetop