Perverse
「なにか食べたいものはある?」



「そうですね…」



津田さんに伝える私の返事が良いものであるならば、お洒落で美味しいものでも食べながら、という流れになるのだろうが。



たまにランチに立ち寄る洋食屋さんがあるのを思い出し、そこを提案し向かうことにした。



「ここ、ランチでよく来るんですけど、ディナーも食べてみたかったんです」



店内端のゆったりとした席に通された私達は、おしぼりで手を拭きながらメニューを広げた。



レトロな洋食屋さんという雰囲気で、店のメニューもどこか懐かしさ漂うものが多い。



思い思いに注文し、その優しい味に包まれながら、ゆったりと時間が過ぎていった。



デザートを食べ終わると、津田さんの勧めでグラスワインとチーズを注文する。



このひとときが終わる。



いよいよその時が来たんだ。



そっと置かれたグラスの中の赤ワインを見つめながら、頭の中で言葉を巡らせる。



「三崎さん、ごめんね」



「え?」



予想もしていなかった謝罪を聞いて顔を上げると、眉を下げて切なそうに微笑む津田さんがいた。



最近私は他人にこんな顔をさせてばかりだ。
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