Perverse
「あー長かった…」



溜め息混じりの柴垣くんの吐息が私の耳をくすぐった。



「やっと俺のだ…」



そんなふうに噛み締めるように言われると。



胸の中にと留めておくのが困難なくらいにキュンキュンして。



私は思いっきり柴垣くんに抱きついた。



これからはずっとずっと柴垣くんのものでいたい。



そんな思いも全部ぶつけるように。



「なあ…」



「ん?」



「やりなおさねぇ?」



「……え?」



やり直すも何も、始まってもないのに?



そんな疑問を巡らせながら、身体をそっと離して柴垣くんを見つめた。



「あの時お前が言ったように全部リセットして。最初から始めよう」



「柴垣くん…」



「やっと通じ合ったんだ。ちゃんと俺を見てるお前を…抱きたい」



「…っ」



なんてなんてなんて。



なんてストレートな人なんだろう。



瞬時に真っ赤になった顔を隠すように、私はガバッと柴垣くんに抱きついた。



言葉がどれほどの力を持っているのか。



身をもって知った私は答えなければいけないだろう。



もう二度と間違わないように。



「……抱いて…くださぃ…」



小さく呟いた声は柴垣くんにどう聞こえただろう。



彼は私を離してじっと見つめると、とっても嬉しそうな顔をして。



そこからはもう…。



内緒の…はなし…。
< 230 / 290 >

この作品をシェア

pagetop