私の遠回り~会えなかった時間~
7
少し会社を出るのが遅くなった。

車に乗ってから、ラインで彬さんに連絡をする。

-すいません。少し遅れそうです。-

―了解。気を付けておいで。-

すぐに戻って来た返信に、思わず笑みが漏れてしまった。

お母さんにも電話で夕飯が要らない事を伝えると、私は車を発進させようとした。

コンコン。

誰かが運転席のウインドウをたたいている。

エンジンを掛けて、ウインドウを下げた。

「お昼はどうも。」

そこにはニッコリ笑う木本さん。

「お疲れ様です。」

私は車の中からぺこりと頭を下げる。

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