【短】恋愛ロマンチスト
カチン、カチン、
無機質な音を繰り返す時計を見上げて溜息を吐く。
なんでこんなことになっちゃったんだろう?
ただ、素直にチョコのお返しを渡して、自分から気持ちを言いたかったはずなのに。
ずっと先に告白して言おうと思ってたのに、彼女から「好き」とか言われちゃうし、俺もう散々だ。
いつも素直になれない俺が悪いのだけれど…もう、遅い。
思い描く、ロマンチックな展開だなんて、そうそう降っては来ないもんなんだな…。
俺は、もう一度溜息を吐いた。