ねぇ先輩、名前をよんで。
3章:苦しさと、葛藤。
清水良太side 分かっているのに
【清水良太side】
俺はつくづく思う。
どうして自分は
報われない恋をしてしまうのか。
思えば2年前のあの時もそうだった。
別の人を思っていることを知っていて
俺は恋に落ちたんだ。
2年前ー。
俺は学校に行かずに
外でサボっているいわゆる不良というやつだった。
両親はふたりとも仕事が忙しく、
家にいることはほとんどない。
大半をひとりで過ごし何をするにも自由だった。
俺が学校に行っていないことは
連絡が来ていて知っていただろうに、
それを見て見ぬふりをしている両親。
どうせ何も言われない。
真面目に学校に行って、帰宅して、
ってそんな生活を送る方が無理な話だ。
学校はくだらない。
集団行動とか友達とか正直かなりめんどくさかった。