ねぇ先輩、名前をよんで。
「もう、元気ないな~」
朝。
学校に行くと風香ちゃんがそんなことを言った。
「風香ちゃんは今日特に元気だね」
私の言葉に風香ちゃんはぽっと顔を赤くする。
「もしかして、彼氏と何かあった?」
「えへへ。分かっちゃった?
実はこの間ね、誕生日のサプライズしてくれたんだ~
手紙まで書いてくれて嬉しくてさ、思い出すだけでニヤけちゃう」
幸せそう……。
風香ちゃんには付き合って1年になる彼氏がいる。
中学が一緒で高校はお互い違うみたいだけど、
家が近いからよく会っているらしい。
ふたりはラブラブで幸せそうに話すはなしを聞いていると
こっちまでニヤけてしまう。
「サプライズか……羨ましいな~」
「でしょ?だからさ〜youも早くその先輩と付き合っちゃいなよ!」
私は苦笑いをする。