ねぇ先輩、名前をよんで。



先輩……。


成績落とせないから、

なんてただの理由付けにすぎない。


「負けないように頑張ります」

「うん、

俺も明日から少しずつ頑張るよ」


私の言葉で

先輩が少し前を向いてくれたような気がする。


嬉しかった。


やっぱり傷ついたっていい。


私の喜びは、

先輩が私を見てくれることじゃない。



『本当は自分でもわかってるんだろ?』



そう思っているのに……


清水くんのその言葉が頭から消えないーー。





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