ねぇ先輩、名前をよんで。
私何聞いているんだろう。
他も受けられる実力があっても、ここに来たのなら
優さんが関係しているのは当然なのに……。
つくづく思う。
先輩の好きだった優さんという人は
春先輩の全てだったんだと。
「ゆうちゃんの方は大丈夫なの?」
「えっと……まぁ、少しは……」
そう答えながら視線を逸らす。
すると先輩は微笑んでから言った。
「ふふ、駄目そうだね。
もうすぐテストも近いし、今日は図書室にでも行こうか」
「はい!」
先輩と私。
テストで競う約束をしているけれど、
先輩は私が分からないところがあると一生懸命教えてくれた。
私も頑張りたい。
頑張ったら、先輩にひとつお願いが出来る。
お願いの内容は決めている。