御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「――鷹凪さん!」

遠い後ろ姿に向けて、奏は声を張り上げた。

「精一杯頑張りますから! 見ててくださいね!」

鷹凪の足がぴたっととまる。

答えなんて求めてなかった。ただ、伝わればそれで。

けれど鷹凪は、人波をかき分け、奏のもとへ走り寄ってきた。

「た、鷹凪さん!?」

驚いた奏は目を瞬かせる。そんな奏に鷹凪は――

「お前は最高のファーストレディだ」

そう耳もとで囁いて、ぎゅっと強く抱きしめる。

周りの議員たちの、呆れた声や、冷やかしの眼差しも意に介さずに。

鷹凪は最愛の女性に、熱い口づけをプレゼントするのだった。



【FIN】
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