御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
(彼女の気持ちはありがたい。だが……)

鷹凪は身動きしづらいこの状況にもどかしさを感じていた。

その相手が、自分の恋人であったから、なおさら――。

なにが悲しくて、恋人と毎日毎日喧嘩をしなければならない。

恋人とは、ただ、なにも考えずに愛し合っていたい。ロマンティックな時間を共有したい。

そう願うのに、ここ最近は喧嘩してばかり。
価値観の違いはプライベートまで侵食して、なにをしても行き違うばかりだ。

お互いの主張が反発し合って、ちっともうまくいかない。

鷹凪はもはやふたりでいる意味がわからなくなってきていた。おそらく、美影も同じだろう。

(……別れた方がいいのかもしれない)

最近はそんなことすら考えるようになってきた。

同じ政治を志す女性をパートナーに選んだのが間違いだったのだろうか。

まったく違う分野の女性となら、こんな言い争いもなく、穏やかな時間を過ごせるだろうに……。
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