御曹司と契約結婚～俺様プレジデントの溺愛に逆らえません～

「そうかもって……まぁ、安心した。俺とお前の関係が、少しは前進しているようで」

奏の頭の上に顔を乗せて鷹凪が言う。
恥ずかしくて、なんだか背中がむずがゆい。そして、嬉しくもある。

「お前がしっている通り、俺は忙しい。毎日帰ってくることはできない。でも、出来る限り穴埋めする」

「穴埋めって、なんですか……？」

「そうだな……一緒にいる時間の密度を濃くするとか。こうやって――」

突然ソファに押し倒されて奏は慌てた。
彼の手の動きが情熱的なものになり、体の距離をなくされる。

「そ、そういうの以外でお願いします！」

「難しいな奏は。大抵の女なら、これで満足すると思うんだが」

「そういう言われ方は嫌いです！」

さすがの奏も腹が立った。他の女性と一括りにされるということは、自分の存在を見てくれていないということだ。
こうしておけば満足するだろう、そんな適当なあしらわれ方、悲しみしかない。

鷹凪も奏の怒る理由に気づいたようだった。

「そうだな。特別な女だったから、俺はお前を選んだんだ」

そう言って、奏の頭をいいこいいこと撫で回す。