副社長の一目惚れフィアンセ
私たちは3月に無事入籍をし、晴れて夫婦となった。

会社の取引先などを招いた盛大な挙式では、有名デザイナーが私のために作ってくれたウェディングドレスを身に纏った。

純白のドレスにはスワロフスキーがちりばめられ、裾は光沢のあるレースフリルが3重になっていた。

ウエストから下が大きく広がったプリンセスラインは、人が中に何人も隠れられるんじゃないかと思うほどのボリューム。

まさにお姫様のようなドレスだったけど、元々が華やかな顔立ちじゃない私には全く似合ってはいなかったと思う。

それでもナオのおかげで、なんとか人生最大の大仕事を乗り切った。


今回、身内や友人だけを招く式に私が選んだのはシンプルな白のAラインドレス。

一応白い花の髪飾りは用意してもらっているけど、明日の朝晴れていたら、シロツメクサを探しに行くつもりでいる。

ナオにお姉ちゃんとの思い出を話して、できることならシロツメクサの花冠をつけたいと言ったら、大賛成してくれたのだ。

明日みんなに披露できるのがとても楽しみ。

…紗耶と瀬名は泣くだろうなあ。

特に瀬名は大泣きしそう。

そして多分、私も大泣きしてメイクが台無しになるんだろう。


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