副社長の一目惚れフィアンセ
「明里、婚約者に副社長呼ばわりはないだろう?」
宝石店でのことを言っているんだというのはすぐにわかったけど、婚約者だからって突然名前呼ばわりはおこがましいと思ったのだ。
「じゃあ…直斗さん…?」
私が恐る恐る問いかけると、彼は迷ったように間をおく。
「…ナオって呼んで」
そして、少し緊張した様子でそう言った。
『ナオ』
なんでだろう。また一瞬既視感のようなものが頭の中を走った気がした。
だけど、深く考える前に、彼は続ける。
「もちろん人前では直斗さんでいい。でも2人の時はそう呼んでほしい」
「…ナオ…」
小さく呟いたら、なぜかナオの目の端が少し光った気がした。
気のせいだろうか。一瞬泣いているのかと思ってしまった。
だけど、それを確認する前に伏目がちにナオは微笑んだ。
宝石店でのことを言っているんだというのはすぐにわかったけど、婚約者だからって突然名前呼ばわりはおこがましいと思ったのだ。
「じゃあ…直斗さん…?」
私が恐る恐る問いかけると、彼は迷ったように間をおく。
「…ナオって呼んで」
そして、少し緊張した様子でそう言った。
『ナオ』
なんでだろう。また一瞬既視感のようなものが頭の中を走った気がした。
だけど、深く考える前に、彼は続ける。
「もちろん人前では直斗さんでいい。でも2人の時はそう呼んでほしい」
「…ナオ…」
小さく呟いたら、なぜかナオの目の端が少し光った気がした。
気のせいだろうか。一瞬泣いているのかと思ってしまった。
だけど、それを確認する前に伏目がちにナオは微笑んだ。